色のきれいな次郎柿を使ってデザートを作ってみました
生で楽しんだあと余った1個でも作れるやさしい味の柿のムースです
色のきれいな次郎柿を使ってデザートを作ってみました
生で楽しんだあと余った1個でも作れるやさしい味の柿のムースです
材料(カップ4~5個分)
・次郎柿 1個(正味約180g)
・水 20cc
・ゼラチン5g(50ccの湯で溶かす)
・コアントロー 5cc(小さじ1)
・砂糖 15~20g(好みの甘さで)
・生クリーム 80cc
作り方
1 ボウルに生クリームと砂糖10g(小さじ2)を入れ八分くらいに泡立てる
2 柿は皮をむいて細かく刻み、水20ccを加えてミキサーでピューレ状にする
3 柿ピューレを鍋に移し残りの砂糖を加えて弱火で温める。砂糖が溶けたら
火を止め80℃以上の湯で溶かしたゼラチンを加え混ぜ、コアントローを加え、
かき混ぜながら人肌程度まで冷ます
4 ホイップした生クリームと3をヘラで混ぜ合わせ、カップに注ぎ分け
冷蔵庫で冷やす
※ゼラチンはふやかす手間のないタイプを使用しています
※コアントローはオレンジの香りのリキュールです
ひとこと
生で食べる以外に柿を使った料理ってあまり聞かない。そう思って検索してみると案外あるある。多かったのはムースやプリン、ジャムなどスイーツ系。柿の産地のサイトなどでは豚肉との炒め物やグラタンなども見つかりました。あれこれ考えた結果、おいしそうに思えたムースを作ってみることに。最初は爽やかさを出そうとレモンを加えました。思ったよりも酸味が強くなり柿がレモンに負けた感じ。次は牛乳を加えてプリン風にと試行錯誤することまる一日。結果、記載のレシピ(超オーソドックス!)になりました。柿の風味ってとても微妙なんですね。「これぞ柿ムース!」といえるインパクトがなかなか出ないのです。失敗…ではないのですが、課題を残して研究は次の機会に持ち越します。
カキの歴史は古く、『古事記』や『日本書紀』などの文献にも登場することから8世紀頃には栽植されていたと考えられています。
全国各地に古木が残り、地方品種は1000種類以上。
柿には甘柿品種と渋柿品種があり、それぞれ完全甘(渋)柿、不完全甘(渋)柿に分類されますが、今回ピックアップした「次郎」は完全甘柿。
遠州森町(静岡県)原産で、現在は主に静岡県、愛知県で生産されています。甘柿の代表格である富有柿よりやや大きい扁円形で濃い橙色。果汁は少なめでコクのある甘みとカリリとした硬めの歯ごたえが特徴です。
柿のお菓子・余談
以前に食べた柿のお菓子で印象深いものがあります。柚子の皮を芯にして干し柿で巻きあげた奈良のお菓子。筒状になっているそれを薄く切って食べるのですが、上品な甘さともちっとした食感が美味でした。奈良は柿(主に富有、刀根早生)の産地だけあって様々な柿のお菓子がありますね。やっぱり柿は和菓子かな。
柿ムース苦悩話
ゼラチンとの戦い。いろいろ調べたほとんどの作り方が柿ピューレを煮立て、ふやかしたゼラチンを投入するというもの。ところが火にかけると柿はどんどん固まってくるし、最新型?ゼラチンは湯にさっと溶けるも少し冷めるとたちまち固まろうとする。ピューレに投入後も冷ます間に固まる固まる…。結果、ダマ入り、ボソボソ、水っぽいなど負け続き。料理はまさに化学です。柿ムースは水分量と熱とゼラチンを加えるタイミングがポイント。
渋戻り
柿の加熱について調べているとき「渋戻り」という現象を知りました。次郎は完全甘柿なので該当するのかわかりませんが、渋抜きした渋柿は加熱によって渋みが戻ることがあるそうです(渋抜きによって固まったタンニンが再び水溶性になるのだとか)。タンパク質を合わせるとよいそうですがジャムなど作るときは要注意ですね。