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かおり(和梨)

香りのいい、大きな和梨を見つけました。華やかな芳香とみずみずしい食感で人気になりそうな「かおり」です。(2016.9.22作成)

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品目:ナシ
品種(種類):かおり
植物学上の分類:バラ科ナシ属
原産地:日本、中国南西部
主な産地:千葉県
出回り期:9〜10月

そばを通るとふわりと香る爽やかな匂い、ちょっと目を引くその大きさ。
思わず手に取ったその梨は、千葉県白井(しろい)産の「かおり」でした。「かおり」という名称は、あまり香りのない和梨としては珍しい華やかな香りに由来するそうです。ちょっといびつな形ではあるものの、大きくて立派な梨は重さが1個810グラムほどありました。とても水分が多く、果肉はやや硬質、あっさりとした甘さがあります。
「かおり」は、正式には「平塚16号」という梨です。昭和28(1953)年に神奈川県平塚市の農業技術研究所園芸部(当時)にて、大きくなる赤ナシ品種「新興」と甘さが人気の青ナシ「幸水」を交配し育成されたもの。欠点が多かったため昭和50年には試験は中止されましたが、その後も香りの良さなどから特定の農家を中心に試作が続けられ、今日に至っているようです。形が変形しやすく、表面にさび(茶色のそばかすのようなもの)がつきやすいなど、栽培は難しく、収穫量が少ないため、出回る量も少ないそうです。
主産地は千葉県。そのほか秋田県、青森県でも生産されています。千葉県では9月に収穫、青森県などでは10月頃から収穫されます。
店頭で見かけることはまだ少ないようですが、見つけたらぜひ味わってみてほしい、おいしい梨です。

●主な栄養素

88%は水分。あまり栄養がなさそうに見えますが、カリウムを多く含みます。カリウムは体からナトリウムを出す働きがあるので、汗をかいたときの水分補給に梨はおすすめ。また、疲労回復に役立つとされるアスパラギン酸なども含まれています。タンパク質分解酵素のプロテアーゼを含んでおり、肉を柔らかくするためすりおろして料理に使われることもあります。。

●保存方法

ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。

●ひとこと

「かおり」は大きさが不揃いの3個入りで販売されていました。お手頃価格だったこともあって購入してみましたが、食べごたえもあって楽しめました。確かに見た目はいまイチな気もしますが、特徴的な芳香などから将来的には高級梨として登場することになるのかなあ…、と思える梨でした。

☆赤ナシ、青ナシ

和梨の種類は大きく分けて赤ナシと青ナシに分類されます。赤ナシは果皮が黄褐色で「幸水」「豊水」「新高」「長十郎」など。青ナシは果皮が淡黄緑色で代表的なものとして「二十世紀」があります。ちなみに「かおり」は青ナシに分類されています。

☆和梨と洋梨

シャリシャリとした食感の和梨と香りが強く滑らかな口当たりの洋梨。梨と言ってもずいぶん違いますね。和梨は日本や朝鮮半島、中国華中地方に自生するニホンヤマナシを基本種とする栽培種の総称で、果実に石細胞が多く、その食感から「サンドペア」、中国では「砂梨」などと呼ばれているそうです。食用の歴史は古く、弥生時代から食べられていたとか。一方、ヨーロッパ原産の洋梨は明治時代に日本に導入されました。和梨は基本的には生食が主ですが、洋梨は生食のほかお菓子や料理にもよく使われます。