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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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アボカド

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この時期(5月下旬)ピッタリくる野菜って何だろう。店頭で悩んでいたところ、ありました。輝くような紫色のなす!ということで今回はなすをピックアップ。
(2012/06/21作成)

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品目:アボカド avocado、alligator pear
植物学上の分類:クスノキ科ワニナシ属
原産地:熱帯アメリカ
品種:ハス種
主な産地:
メキシコ、ブラジル、カリフォルニア等
出回り期:通年、旬は秋

英名alligator pearとある通り、和名では「ワニナシ」と呼ばれていたアボカド。
確かに、ゴツゴツした果皮と洋梨型の外観はワニに似たナシのようです。

ゴツゴツと黒っぽいのはハス種と呼ばれる品種で、日本で輸入されるアボカドの大半はこれ。アボカドは大きく分けると園芸学的に4つの系統があるそうですが、その中でもグアテマラ系といわれる品種です。
少量ですが国産のアボカドもあり、こちらはベーコン種とよばれる品種でハス種よりつるりと滑らかな外観をしています。和歌山、愛媛、沖縄などで生産されているようですが、あまり目にする機会はないかもしれません。
アボカドの特徴はなんといっても「森のバター」といわれるように、ねっとりと脂っこい食感。それもそのはず、果物としては脂肪分が多く、エネルギーも100gあたり187kcalと高め。小さめのアボカドで1個200gくらい(可食部140g)とすると、1個食べると261kcalという計算になります。これはおおむねファストフードのプレーンなハンバーガー1個分!(食品成分表による)
他のフルーツのように甘みや酸味はなく淡白な味なので、フルーツとして楽しむというよりはサラダに加えたり、ペースト状にしてソースとして利用するという食べ方が多いようです。ドレッシングやマヨネーズ、わさび醤油など洋風、和風どんな調味料と合わせてもおいしくいただけます。疲れたときのスタミナ補給に、ジュースにして飲むのも簡単でおすすめです。
さて、大半は輸入のアボカド。旬はいつかということですが、輸入物は産地を変えて一年中供給されるのでどうやら旬という捉え方はできそうにありません。輸入先としては3~6月はメキシコ、7・8月はアメリカ、11・12月はチリ、ニュージーランドなどから輸入されていますが、量でいうとメキシコ産が断然多いようです。果物としては夏に実をつけ、秋に収穫されるフルーツなので、国産は11月~1月頃が旬といわれています。

●栄養素

脂肪分が約20%。その他ビタミンE、カリウム・リンなどのミネラル、食物繊維も豊富です。カロリーが高く、含まれる脂肪分も大半は血中コレステロール値を下げるとされる不飽和脂肪酸のため、生活習慣病の予防、エネルギーの補給などによいとされるフルーツです。ですが、やはり食べ過ぎは禁物。ほどほどにおいしくいただきましょう。

●保存方法

vf0015-2.jpg色が緑色のものは追熟させます。ものによっては追熟が一目でわかるシールを付けて販売されているものもありますが(写真参照)、色が黒くなって、持ったときほのかなやわらかさを感じるくらいが食べ頃。熟しすぎると果実が茶色っぽく変色してしまいますので、食べ頃かな、と思ったらもったいながらずに食べましょう。熟したものは冷蔵庫で保存します。カットしたものはレモン汁をふり、ラップをかけて冷蔵庫で保存し、早めに食べきります。

☆アボカドの歴史

アボカドはインカ帝国の王族の墓からその種子が発見されるなど、古くからメキシコ南部などで食料として栽培されていた歴史ある果物です。しかし、世界各地に広まったのは16世紀、コロンブスの新大陸発見後のことでした。経済的な栽培は20世紀に入ってからで、日本に伝わったのは大正時代のこと。アメリカ農務省から静岡県清水市の農林省園芸試験場にアボカドの樹が贈られたという記録があるそうです。


その後、昭和初期に和歌山県などでも導入されたようですが普及はしませんでした。当時の人々の口に合わなかったのか、一般に普及してきたのはごく最近なのだとか。いま店頭に溢れているアボカドも大半はメキシコなどからの輸入によるもので、国産のアボカドについては現在も和歌山、沖縄などでごく少数が生産されるにとどまっているようです。