春の気配を感じると、生野菜のサラダが食べたくなります。サラダの彩りの定番、赤たまねぎをピックアップしました。(2013/03/03作成)
品目:タマネギ(onion)
植物学上の分類:ユリ科ネギ属
原産地:中央アジア
品種:アーリーレッド
主な産地:北海道、静岡県など
出回り期:3月~6月頃
アーリーレッドは春に出荷される極早生の赤たまねぎ。辛みが少なく甘みがあり、美しい表皮の色から主に生でサラダや酢のものなどに使われます。色の成分はアントシアニンで、ドレッシングなどの酸味が加わるとさらに発色がよくなります。
ユリ科ネギ属のたまねぎは、肥大した麟茎を食べるもの。品種は辛みのある辛たまねぎと生食用の甘たまねぎに大別され、色では一般的にたまねぎとして使われるイエロー、赤、白などがあります。旬は春と秋にあり、春先に出回る新たまねぎは柔らかく辛みが少ないのが特徴。春先だけに出回る葉たまねぎ(成長過程のもの)や小型化させた小たまねぎ(ペコロス)など種類もバラエティ豊かです。
たまねぎの歴史は古く、紀元前にエジプトのピラミッド建設の従事者が食料としていたとされています。現在日本で主流のイエロー系たまねぎは明治の頃、アメリカから導入されたイエロー・ダンバース系のたまねぎが品種改良されたもの。導入当時はあまり普及しませんでしたが、戦後の食の欧米化で消費が拡大しました。
現在、赤たまねぎは輸入物もあり通年出回っていますが、国産は3月頃からアーリーレッドが出回るほか神奈川県の湘南レッドが初夏に出回ります。
●主な栄養素
たまねぎの辛みの成分は硫化アリル。切ると目にしみてやっかいな物質ですが、抗酸化作用があり、コレステロールの低下、血栓の防止などに効果が期待されています。
●保存方法
風通しのよいところで常温で保存できますが、赤たまねぎは長期保存には向かないので、購入したら早めに使い切ります。カットした場合はラップをして冷蔵庫で保存を。
●ひとこと
野菜の色って不思議です。カラフルなピーマンはもちろんのこと、土の中で育つ紅芯大根やヤマイモ、今回の赤たまねぎにしても、どうしてこんなに鮮やかな赤紫色になるんだろうと思います。そんなわけで、2013年は野菜の「色」にも注目しながらピックアップしていきたいと考えています。
☆目にしみる
たまねぎを切ると、目が痛くなって涙が出ますね。これは硫化アリルという物質によるもの。やっかいな物質ですが、硫化アリルは殺菌作用や血液をサラサラにする作用があり、また加熱すると甘みの素になる成分です。切ったら水にさらすとよいとよく言われますが、赤たまねぎの場合は長く水にさらしたり、加熱すると色が抜けてしまいます。もっとも、赤たまねぎは辛みや刺激臭は少ないので、目にしみる、ということはあまりないようです。