京野菜として知られる海老芋。最近はスーパーで他県産もよく見かけるようになりました。果たしてその味は?ということでチョイスしました。(2015/1/4作成)
品目:サトイモ(トウノイモ)
植物学上の分類:サトイモ科サトイモ属
品種(種類):エビイモ
主な産地:京都、近畿地方
出回り期:11月中旬~12月中旬
曲がった形と表面の縞模様がエビのように見えることから海老芋(えびいも)と呼ばれます。里芋の一種である唐芋(とうのいも)を特殊な方法で栽培したもので、京都の伝統野菜になっています。
江戸時代、安永年間(1772~81)に、青蓮院宮(しょうれいいんのみや)が長崎から持ち帰った唐芋を京都御所で栽培させたのが始まりといわれています。肉質は緻密でクリーミーな食感。煮込んでも煮崩れしにくいため、煮物に適しています。棒タラと炊き合わせた京料理「いもぼう」は有名。揚げ物にしてもおいしくいただけます。
京野菜として京丹後市などで生産されていますが、生産量が多いのは静岡県磐田市の天竜川東岸など。おせちの需要などもあり11月~12月がピークです。
●主な栄養素
主成分はデンプンとタンパク質ですが、他のいも類よりカロリーが低め。免疫力アップなどによいとされるぬめり成分、ムチンも含まれます。
●保存方法
低温になると品質が低下するため、乾燥しないよう湿らせた新聞紙でくるむなどして冷暗所で保存します。
●ひとこと
京都産の海老芋を初めていただきました。里芋っぽいですが、食感は別モノ。小さなものより大きなもののほうが、特徴がわかりやすいようです(私見)。京都産は高価ですが、近頃は他県産の小さめだけれどリーズナブルな詰め合わせもスーパーに並んでいます。曲がっていないものも混ざっていますが、トライするには惜し気なく使えるのでおすすめです。
☆食べるところによって
里芋は地下で肥大した塊茎を食用とするもので(1)子芋を食べるタイプ(2)親芋を食べるタイプ(3)親芋・子芋ともに食べるタイプに分けられます。(1)は土垂、石川芋など、(2)はタケノコ芋(京いもともいう)、(3)の代表的なものが海老芋と八つ頭です。また、ハスイモ、田芋、コンニャク芋は葉を「ずいき」として利用するものです。
☆保存方法の話
いも類などを保存する場合、よく「新聞紙にくるんで」「通気性のよい涼しい所に」といいますが(今回も書きました)結構難しい問題ではないでしょうか。最近では新聞をとらない人も多く、マンションなどはエアコンを入れればすぐ全体が暖まります。ではどうすれば? 一番いいのは使う分だけ買って早めに食べることでしょう。または調理して冷凍保存? 比較的室温の低い部屋に置く(湿度が高いとカビるので要注意)。実際、筆者はスーパーで買ったものは冷蔵庫で保存することがほとんどです。例えばにんじんは時間が経つと確かに黒くなりますが、冬でも室温に置くと葉っぱや根が出てしまいます。先日も買ってしばらく台所に置いておいたニンニクが、暖房を入れたとたんに緑色の芽を出しました。生活環境はどんどん変わっているので、保存方法もそれに合わせて工夫が必要なんですね。