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野菜たちの個性や魅力を探り、特性を生かしたおいしい食べ方を見つけよう!

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とちおとめ(いちご)

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甘い香りに誘われて、今回はいちご。キュートな「とちおとめ」をチョイスしました。(2011/12/20作成)

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品目:いちご Strawberry
品種:とちおとめ
分類:バラ科 オランダイチゴ属
原産地:北アメリカおよび南アメリカ
とちおとめの主な産地:栃木県、茨城県ほか
出回り期:11月~5月

わたしたちが現在食べているいちごは、北アメリカ原産のバージニアイチゴ種と南アメリカ原産のチリイチゴ種がオランダの農園で交雑されたもので、日本には江戸時代末期にオランダから長崎へもたらされました。
一般的に実と呼ばれている赤い部分は「花托」という花弁や雌しべなどをつける土台が変化したもので、実際は表面に分布する粒ひとつひとつが果実です。とてもよい芳香があり学名Fragaria(ラテン語で「香る」の意)はその香りに由来しています。
いちごの旬は5~6月ですが現在はクリスマスなど市場のニーズに合わせて11月頃から出回ります。

「とちおとめ」は1996年に栃木県で誕生した品種。色鮮やかで形がよく、果肉はやわらかで甘く果汁が多いのが特徴です。日持ちがよいともいわれています。
今回購入したものは茨城県産でしたが、栃木県をはじめ関東から東北を中心に栽培されているポピュラーないちごです。
ビタミンCが豊富なので洗ってそのまま食べるのがいちばんですが、ケーキやジャムなどスイーツに、またフルーツサラダやパスタなどにしてもおいしくいただけます。

●栄養素

フルーツの中でもビタミンCが豊富。いちごの大きさにもよると思いますが、6~7粒食べれば成人に必要な一日のビタミンC摂取量がとれるといわれています。

●保存方法

新鮮なものを選びパックのまま、またはポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。日持ちがよくないので2~3日中には食べきるようにします。

●ひとこと

今回購入した「とちおとめ」は茨城県北浦産。どのあたりだろうと地図を見ると県東南部で東は鹿島灘、西は北浦という湖に囲まれた地域らしい。比較的温暖な気候で県内でも随一の農業地帯とのこと。
いちご生産の過程をみてみると、10月下旬(秋親株)と翌3月中旬(春親株)に親株の植え付け。ランナー(つる)が伸びて小苗を作るので7~8月にかけて小苗を切り離しポットで育苗し、水はけがよく日当たりのよい圃場に定植。花が咲き始めた10月頃蜜蜂に受粉させ、11月~6月初旬まで収穫、という流れ。植え付けから出荷までほとんど1年かかるんですね。温度管理にもずいぶん気を使う様子。食べるのはあっという間ですが、作るのはほんとうに手間がかかります。
パッケージの表示から産地やどうやって作られているのかなどを辿ってみるのですが、ずっと食べていた野菜や果物なのに、何も知らなかったのだなとつくづく思います。

☆上手に食べる

新鮮ないちごは生でいただくのがいちばん。上手な選び方、食べ方のポイントをまとめてみました。
●色艶がよく香りの強いものを選ぶ
●冷やしすぎない
●ヘタをつけたまま薄い塩水で洗う
●食べるときはヘタのほうから
いちごの鮮度はできればパックの下からも見てチェックしましょう。ヘタを取ってから洗うと大切なビタミンCが流出してしまうのでNG。ヘタのほうから食べるとよいのは、いちごは先端の方が甘いからです。いちばん甘い部分を最後に食べるほうが余韻が残りますね。また、冷やしすぎると舌が甘さを感じにくくなるので、食べる少し前に冷蔵庫から出しておくとよいようです。

☆いちごは野菜?

野菜・果物の中にはフルーツとして食べているけれど植物学的には野菜に分類される「果実的野菜」と、果物だけれど果物として食べられることのない「野菜的果実」というものがあります。実はいちごは前者。生産段階では野菜に分類されています。同様のフルーツにはスイカやメロンがあります。後者「野菜的果実」はゆずやすだち、レモンなど。野菜・果物には「野菜は原則として草本、果物は原則として木本」「野菜は原則として1~2年草」などといった定義があり、それでいくといちごは野菜に分類されるというわけです。

☆いちごいろいろ

ファッションや音楽には流行があっても、野菜や果物に流行なんてないと思っていました。ところがあるんですね、果物にも流行。いちごもかつては東の「女峰」、西の「とよのか」といわれていたそうです。でも近頃店頭でよく見かけるのは「とちおとめ」「あまおう」などの品種(地域にもよるかもしれません)。白いいちご(「初恋の香り」というそうです)なども登場して、フルーツの世界もどんどん品種改良がされ、人気の品種は移り変わっていくのですね。